第4次産業革命において、IoT(Internet of Things)は、ビックデータやAI(Artificial Intelligence)とともに重要な技術的要素となっている。IoT関連発明は、従来の発明とは異なり、改良を重ねて発明に到達するという流れではなく、「課題」を設定し、設定された「課題」を解決するために必要な「解決手段」を検討することで創出されると筆者は考える。IoT関連発明の創出において、「課題」および「解決手段」の視点は、発明創出活動において重要な視点である。ここで、本調査研究においては、IoT関連発明を「課題」および「解決手段」の視点で調査分析することで、IoT関連発明における「課題」および「解決手段」の内容・傾向を確認することを試みている。また、これらの調査分析結果を参考に、IoT関連発明を創出する際の視点等について検討することを試みている。
(IPNJ国際特許事務所 弁理士)乾 利之
Analysis of problems to be solved and solutions in IoT related inventions
- Viewpoints in creating IoT related inventions -
IPNJ PATENT ATTORNEYS OFFICE Toshiyuki, Inui;
【目次】
目次
1.はじめに
2.調査分析の概要
1)調査分野
2)調査方法
3)分析方法
3.IoT関連発明の状況
1)件数(公開)推移
2)IoT関連発明における技術分野
4.特許情報の詳細分析
1)概要
2)ZJC(製造用)
3)ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)
4)ZJT(運輸用)
5.横断分析
1)課題の横断分析
2)解決手段の横断分析
6.結果まとめ及び発明創出の視点
7.おわりに
1.はじめに
第4次産業革命において、IoT(Internet of Things)は、ビックデータやAI(Artificial Intelligence)とともに重要な技術的要素となっている。IoTにおいては、例えば、「工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで、新たな付加価値を生じさせる」ことが期待されている[1]。
更には、近年、第4次産業革命への対応がより重要視されており、例えば、「未来投資戦略2017」において、「中長期的な成長を実現していくため、第4次産業革命の技術革新をあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決するSociety 5.0を世界に先駆けて実現する」ことが提言されている[2]。ここで、第4次産業革命におけるIoT等の技術革新は、効率化、省力化や技術の高度化等の技術的な課題を解決するだけではなく、社会的な課題を解決する手段と捉えられている。
また、IoTは様々な分野に適用されている(図1参照)。IoTは、図1に示された分野は例示であり、実質的には全ての産業分野に適用されると認識する必要がある。そのため、IoT関連発明の創出は、全ての産業分野において検討すべき事項であるといえる。
ここで、IoT関連発明は、従来の発明とは異なり、改良を重ねて発明に到達するという流れではなく、「解決課題(以下「課題」という。)」を設定し、設定された「課題」を解決するために必要な「解決手段」、例えば、取得・利用すべき情報、情報を利用した判定・推定や所定の制御等の内容を検討することで創出されると筆者は考える。IoT関連発明の創出においては、「課題」の設定が重要であり、「解決手段」は設定された「課題」に対応したものとなる。
ここで、「課題」は、例えば、社会的な課題、人に関する課題、事業に関する課題や技術的な課題等がある。「課題」は、例えば、社会・技術動向の変化により生じる。また、各産業分野・技術分野ごとに生じる特有の「課題」もある。
「解決手段」については、設定された「課題」を解決するための各種情報、判定・推定や所定の制御等を好適に組み合せて構成されるが、どのような視点・要素を重視しているか等は、発明創出活動において重要な事項である。
ここで、本調査研究においては、IoT関連発明を「課題」および「解決手段」の視点で調査分析することで、IoT関連発明における「課題」および「解決手段」の内容・傾向を確認することを試みる。更には、各分野における特徴や経時的な変化を確認することを試みる。また、これらの調査分析結果を参考に、IoT関連発明を創出する際の視点等について検討することを試みる。
2.調査分析の概要
1)調査分野
本調査分析においては、まず、IoT関連発明に付されているファセット分類であるZIT(IoT関連発明全体)について調査分析した。
更には、ZIT(IoT関連発明全体)に含まれる用途別に細分化された分類のうち、ZJC(製造用)、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJT(運輸用)の3分類について、詳細に調査分析した。
2)調査方法
以下の条件で特許調査した。
・使用データベース:J-PlatPat[3]
・使用日時:2019年9月~10月
・調査項目:ファセット:ZIT,ZJC,ZJG,ZJT
・取得情報:公開件数、IPC・FI情報,書誌事項、要約/抄録(必要に応じて請求の範囲、明細書)等
3)分析方法
ZJC(製造用)、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJT(運輸用)の3分野(分類)について、下記分析を行った。
分析対象・件数は、ZJCの件数(73件)を基準として、ZJG(75件)、ZJT(75件)とした。ZJG、ZJTにおいては、最新(近年)の25件、中間時期の25件、最も古い(初期)25件を分析対象とした(ZJCも同様に区分)。各分野(分類)において、「初期」「中間時期」「近年」の件数推移についても分析した。
主に要約/抄録の記載を分析し、必要に応じて請求の範囲、明細書の記載を参照して分析した。各出願ごとに、「課題」および「解決手段」を視点として分析した。
(1)課題の分析
課題の記載内容に基づいて、詳細分類項目を設定しながら各出願を分類した。その後、詳細分類項目を中位・上位分類に集約し、各分野(ファセット分類)ごとの課題の特徴・傾向を分析した。なお、各分類の割合(%)は、各分類の項目を含む出願の割合であり、例えば、ZJG(全75件)において所定分類の項目を含む出願(分類される出願)が10件の場合、上記割合(%)は10件/75件=13.3%となる。また、各出願は、複数の分類項目に分類される。以下の解決手段における分類の割合(%)についても同様である。
(2)解決手段の分析
同様に、解決手段の記載内容に基づいて、詳細分類項目を設定しながら各出願を分類した。その後、詳細分類項目を中位・上位分類に集約し、各分野(ファセット分類)ごとの解決手段の特徴・傾向を分析した。
(3)横断分析
「課題」および「解決手段」につき、ZJC、ZJG、ZJT分野について横断分析を行った。ZJC、ZJG、ZJT分野の「課題」および「解決手段」における特徴・傾向を比較・分析した。
3.IoT関連発明の状況
1)件数(公開)推移
図2により、ZIT(IoT関連発明全体)の件数(公開)推移について示す。IoT関連発明の件数は、全体的には増加傾向である。IoT関連発明の件数は、2014年から急増し、それ以降は同程度の件数で推移し、2018年に急増している。IoT関連発明は、近年急増し、更に増加する傾向にあるといえる。
2)IoT関連発明における技術分野
(1)IoT関連発明全体
表1により、IoT技術が適用される分野について示す。表1には、ZIT(IoT関連発明全体)の出願に付された技術分類うち、件数の多い技術分類であって、G06系の技術分類を除いた結果が示されている。つまり、IoT技術が適用された技術分野が示されている。
表1に示すように、IoT技術が適用された技術分野として、「道路上の車両に対する交通制御システム」「診断のための検出,測定または記録等」「航行」「他の電気システムとの結合のために特に適合した電話通信方式」「遠隔制御システム等」「金銭登録機」「警報状態の所在を中央局に通報する警報システム等」「地図等」「プログラム制御系」等が多いことがわかった。
(2)各分野(ファセット分類)
表2により、各分野(ファセット)ごとの件数および割合(対IoT関連発明全体)について示す。表2に示すように、IoT関連発明は、サービス業用(ZJM)、運輸用(ZJT)、ホームアンドビルディング・家電用(ZJG)、ヘルスケア・社会福祉事業用(ZJP)等の分野(ファセット)に多く出願されていることがわかった。これらの分野は、IoT技術の開発・事業化に積極的な分野であると考えられる。
4.特許情報の詳細分析
1)概要
上記表2により示された件数上位の分野(ファセット)を参考に、以下の3分野(ファセット)を詳細分析の対象分野とした。具体的には、上位3分野のうち運輸用(ZJT)、ホームアンドビルディング・家電用(ZJG)を選択し、これらの分野に技術的に比較的近く、事業タイプ等が異なる分野(ファセット)であるZJC(製造用)を追加選択し、当該3分野(ZJC、ZJG、ZJT)を詳細分析の対象分野とした。表3において、詳細分析の対象分野(ZJC、ZJG、ZJT)について、「公共性」「事業タイプ」「人との関係」「ライフサイクル」について簡単に整理した。以下、各分野(ファセット)における詳細な分析結果について説明する。
2)ZJC(製造用)
(1)件数推移
図3により、ZJC(製造用)の件数(公開)推移について示す。ZJC(製造用)の件数は、波はあるが全体的には増加傾向である。ZJC(製造用)の件数は、2014年から急増し、2016、7年は減少したが、2018年には急増している。
ZJC(製造用)の分野において、IoT関連発明は、近年急増し、更に増加する傾向にあるといえる。
(2)技術分野
表4により、ZJC(製造用)の分野においてIoT技術が適用される技術分野について示す。表4には、ZJC(製造用)の出願に付された技術分類のうち、件数の多い技術分類であって、G06系の技術分類を除いた結果が示されている。つまり、ZJC(製造用)の分野においてIoT技術が適用された技術分野が示されている。以下、ZJG、ZJTにおいても同様である。
表4に示すように、ZJC(製造用)において、IoT技術が適用された技術分野として、「プログラム制御系」「制御系またはその一部の試験または監視」「工作機械上において指示または測定する装置の配置」「付加製造,すなわち付加堆積,付加凝集または付加積層による3次元[3D]物体の製造」「付加製造のためのデータ取得またはデータ処理」等が多いことがわかった。
(3)課題分析
①概要(上位)
表5により、ZJC(製造用)における課題の分析(上位)を示す。表5に示すように、課題の上位分類として、「社会的課題」「人に関する課題」「事業的課題」「技術的課題」に集約した。他の分野(ZJG、ZJT)においても同様に集約分類した。
表5に示すように、ZJC(製造用)において、「技術的課題」が最も件数・割合が高く、次いで「人に関する課題」「事業的課題」が続き、「社会的課題」は0件であった。「技術的課題」の割合が他の課題と比べて非常に高いことが特徴である。
件数推移の傾向としては、「技術的課題」は中間時期には増加したが近年は少し減少しており、「人に関する課題」「事業的課題」は増加傾向にある。
上述より、ZJC(製造用)においては、「技術的課題」が中心であるが、「人に関する課題」「事業的課題」へ少しシフトしているといえる。
②詳細(中位・下位)
表6により、ZJC(製造用)における課題の分析(詳細)を示す。表6においては、課題の上位分類のうち、件数・割合の高い「技術的課題」「人に関する課題」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。なお、中位分類は上位分類に含まれる中位分類のうち件数・割合が高いものを例示している。また、詳細分類は、中位分類に含まれる下位の詳細分類のうち、件数・割合の高いものを例示列挙している。以下、他の分野(ZJG、ZJT)においても同様の流れで説明する。
表6に示すように、「技術的課題」においては、「管理・メンテ」「製造・運転」の割合が高い。特に「管理・メンテ」は割合も高く、件数も増加傾向にある。ZJCにおいて、「管理・メンテ(自動化、高精度・正確、予測・推定、早期・リアルタイム、支援等)」は、重要な技術的課題であることがわかった。
また、「人に関する課題」においては、「作業者」の割合が高く、「作業者(支援、視覚的、負担軽減等)」は、重要な課題であることがわかった。
(4)解決手段分析
①概要(上位)
表7により、ZJC(製造用)における解決手段の分析(上位)を示す。表7に示すように、解決手段の上位分類として、「管理」「製造」「人・作業」「制御」「支援」「判定・評価・検出」「推定・決定・予測」「アウトプット」に集約した。当該ZJC分野はデータ取得・利用において分野特有の特徴があり、「管理」「製造」「人・作業」に分けて分類している。この点において、他の分野(ZJG、ZJT)と相違する。
表7に示すように、ZJC(製造用)において、「管理」「製造」「制御」「アウトプット」の順で件数・割合が高いことがわかった。件数推移の傾向としては、「制御」が継続的に増加傾向であり、「製造」は近年増加傾向にあることがわかった。「管理」「アウトプット」は減少傾向にあることがわかった。
「解決手段」は、全体的には「制御」の工夫により上述の「課題」に対応しているように思われる。
②詳細(中位・下位)
表8により、ZJC(製造用)における解決手段の分析(詳細)を示す。表8においては、解決手段の上位分類のうち、件数・割合の高い「管理」「製造」「制御」「アウトプット」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。
表8に示すように、「管理」においては、「取得(情報)」が増加傾向であり、「製造」においては「運転・運用」「製造条件」の割合が高く、増加傾向にある。また、「制御」は全体的に増加傾向であり、特に「運転・運用(設定値、装置情報、動作制御、機能制御等)」「情報系(設定値変更・更新等)」は割合も高く、増加傾向である。また、「アウトプット」は全体的に減少傾向であり、特に「表示」が減少傾向であることがわかった。
上述より、ZJC(製造用)においては、「管理」「製造」における各種情報を利用した「制御」により課題を解決する発明を創出する方向のように思われる。また、「表示」の工夫による発明創出からデータ処理・制御の工夫による発明創出にシフトしているように思われる。
3)ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)
(1)件数推移
図4により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)の件数(公開)推移について示す。ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)の件数は、2014年に急増したものの、その後は年々減少している。
ZJGの分野において、IoT関連発明は、全体件数としては多いものの、近年においては件数が少なくなっているという状況である。
(2)技術分野
表9により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)の分野においてIoT技術が適用される技術分野について示す。表4に示すように、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)において、IoT技術が適用される技術分野として、「他の電気システムとの結合のために特に適合した電話通信方式」「遠隔制御システム等」「一般的な構造上の特徴」「文書または類似のものの走査,伝送または再生」「他に分類されないタイプライタまたは選択的プリンティング機構の細部等」「警報状態の所在を中央局に通報する警報システム」等が多いことがわかった。
(3)課題分析
①概要(上位)
表10により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)における課題の分析(上位)を示す。表10に示すように、ZJGにおいて、「技術的課題」が最も件数・割合が高く、次いで「人に関する課題」「事業的課題」「社会的課題」と続くことがわかった。ZJC(製造用)と比べ、「人に関する課題」「事業的課題」の件数・割合が高く、「社会的課題」を課題とする出願がある点で相違する。
件数推移の傾向としては、いずれの課題も大きな増減はみられず、ZJG分野においては、「課題」に大きな変化はみられない。
②詳細(中位・下位)
表11により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)における課題の分析(詳細)を示す。表11においては、課題の上位分類のうち、件数・割合の高い「技術的課題」「人に関する課題」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。
表11に示すように、「技術的課題」においては、「制御」「メンテ」「商品・サービス」「操作」の割合が高い。特に「制御」は割合も高く、件数も増加傾向にある。ZJGにおいて、「制御(制御全般、最適調整、データ等)」という課題は、重要な技術的課題であることがわかった。また、「操作(遠隔、簡易化、負担減等)」は増加傾向にあり、注目されている技術的課題であると思われる。
また、「人に関する課題」においては、「使用性(ユーザ個別対応、待ち時間等)」の割合が高く、重要な課題であることがわかった。また、「状態(各状態、在室等)」は増加傾向であり、「人に関する課題」において注目されている課題であると思われる。
(4)解決手段分析
①概要(上位)
表12により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)における解決手段の分析(上位)を示す。表12に示すように、解決手段の上位分類として、「情報取得・利用」「制御」「評価・判定」「推定・決定」「情報セキュリティ」「アウトプット」に集約した。当該ZJG分野は後述するZJT分野と同様の上位分類になっているが、「情報セキュリティ」が別途設定された点で相違している。
表12に示すように、ZJGにおいて、「情報取得・利用」「制御」「アウトプット」の順で件数・割合が高いことがわかった。「情報取得・利用」(実際には100%となるであろうが、要約/抄録の分析からは下表の割合となっている。)は、件数・割合は高いが、件数推移は少し減少傾向にある。「制御」については、件数・割合も高く、件数推移も増加傾向にあり、当該分野においても注目される項目であることがわかった。
「制御」というキーワードは、上述の「課題」に対応しているが、全体的には、「解決手段」と「課題」との対応は見えにくい。当該分野に含まれる製品・サービスが多様であることが要因の一つであると思われる。
②詳細(中位・下位)
表13により、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)における解決手段の分析(詳細)を示す。表13においては、解決手段の上位分類のうち、件数・割合の高い「情報取得・利用」「制御」「アウトプット」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。
表13に示すように、「情報取得・利用」においては、「取得情報(動作状況、画像・映像、操作情報等)」および「外部からの情報(指示・要求、リスト情報等)」が近年において増加傾向であり、重要な要素・視点であることわかった。また、「制御」は全体的に増加傾向であり、「情報系(通信制御、画像処理、データ処理等)」の割合が高いことが特徴である。当該分野においては、情報処理が重要な視点であることがわかった。また、「動作状態(状態変化、モード変化、動作状況制御等)」「制御全般(制御データ、時間等)」「各機能制御(電源制御、加熱制御等)」が増加傾向にあることがわかった。また、「アウトプット」は全体的には維持傾向であるが、「表示」は近年において減少傾向であることがわかった。また、当該分野においては、「外部」からの情報取得や「外部」への通知等が増加傾向にあることもわかった。
上述より、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)においては、各種取得等した「情報」を「情報処理」して動作状態等を「制御」することで、課題を解決する発明を創出する方向のように思われる。また、当該分野においては、「外部」との連携も注目すべき視点になっていると思われる。
4)ZJT(運輸用)
(1)件数推移
図5により、ZJT(運輸用)の件数(公開)推移について示す。ZJT(運輸用)の件数は、全体的には増加傾向にあるといえる。ZJT(運輸用)の件数は、2014年から急増し、2016年に減少したが、2017、8年には再増加している。全体的には、2014年以降、同程度の件数を維持しているといえる。
ZJT(運輸用)の分野において、IoT関連発明は、2014年以降、件数も多くかつ同程度で維持されている。ZJT(運輸用)は、IoT関連発明の創出・出願活動が継続的に活発な分野であるといえる。
(2)技術分野
表14により、ZJT(運輸用)の分野においてIoT技術が適用される技術分野について示す。表14に示すように、ZJT(運輸用)において、IoT技術が適用される技術分野として、「道路上の車両に対する交通制御システム」「航行」「道路走行用車両の運動制御システムであって目的によって特徴づけられるもの等」「道路走行用車両の運動制御システムのためのパラメータの推定または演算等」「地図」「事故又は他の交通危機の場合乗員又は歩行者を負傷から保護又は防止するための車両の装置又は部品」「道路走行用車両の運動制御システムの細部」「制動をきかせる初動装置」等が多いことがわかった。
(3)課題分析
①概要(上位)
表15により、ZJT(運輸用)における課題の分析(上位)を示す。表15に示すように、ZJT(運輸用)において、「技術的課題」が最も件数・割合が高く、次いで「社会的課題」「人に関する課題」「事業的課題」と続くことがわかった。当該分野においては、「社会的課題」の件数・割合が非常に高いことが特徴である(他の分野:0%(ZJC)、2.7%(ZJG))。また、「人に関する課題」の件数・割合も他の分野に比べて高いことも特徴である。
件数推移の傾向としては、割合の高い「技術的課題」「社会的課題」「人に関する課題」は維持傾向にある。
上述より、ZJT(運輸用)においては、「技術的課題」だけでなく、「社会的課題」「人に関する課題」について長年検討され続けていることがわかった。また、「社会的課題」の割合が他の分野に比べて格段に高い点は当該ZJT(運輸用)特有の特徴である。財活動が必要になる。
〇 デジタル・情報を視点として、特許と意匠との連携・連動が新しい知財活動となる。
〇商標については、全業種共通の技術ワード等について、出願競争になるケースが生じる。また、商標業務において、法律面に加え、技術面の理解がより必要になる。
〇 上述を含め、知財MIXではなく、社会・技術における解決すべき課題から、発明・意匠・商標ブランドの活動が同時に始まる体制が好ましいと考える。
②詳細(中位・下位)
表16により、ZJT(運輸用)における課題の分析(詳細)を示す。表16においては、課題の上位分類のうち、件数・割合の高い「技術的課題」「社会的課題」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。
表16に示すように、「技術的課題」においては、「製品・サービス全体(品質、安心、容易等)」は高い割合であり重要な技術的課題であるが減少傾向にある。「動作(自動運転、運転支援、自動駐車等)」「判定(高精度、路面状況等)」は割合も高く、増加傾向にあり、重要な技術的課題になってきている。
また、「社会的課題」においては、「交通(走行管理、交通需要予測、渋滞等)」の割合が高く、重要な社会的課題になっていることがわかった。また、「生活(駐車、充電、配車等)」「生命安全(安全性(走行)、事故回避等)」は増加傾向にあり、重要度が上昇している社会的課題であることがわかった。
(4)解決手段分析
①概要(上位)
表17により、ZJT(運輸用)における解決手段の分析(上位)を示す。表17に示すように、解決手段の上位分類として、「情報取得・利用」「遠隔操作」「選択」「制御」「判定・評価・検出」「推定・決定・予測」「アウトプット」に集約した。当該ZJT分野は上述のZJG分野と同様の上位分類になっているが、「遠隔操作」「選択」が別途設定された点で相違している。
表17に示すように、ZJT(運輸用)において、「情報取得・利用」「制御」「アウトプット」「判定・評価・検出」の順で件数・割合が高いことがわかった。「情報取得・利用」(実際には100%となるであろうが、要約/抄録の分析からは下表の割合となっている。)は、件数・割合は高く、件数推移は維持傾向にあることがわかった。「制御」については、件数・割合は高く、件数推移も増加傾向にあり、当該分野においても注目される視点・要素であることがわかった。また、「判定・評価・検出」の割合が比較的高いことは、当該ZJT分野の特徴の一つである。
全体的には「課題」との対応は見えにくいが、「技術的課題」の「動作」「判定」や「社会的課題」の「交通」「生活」「生命安全」等の課題ついて、「情報取得・利用」「判定・評価・検出」「制御」を組み合わせて対応しているように思われる。
②詳細(中位・下位)
表18により、ZJT(運輸用)における解決手段の分析(詳細)を示す。表18においては、解決手段の上位分類のうち、件数・割合の高い「情報取得・利用」「制御」「アウトプット」について、中位分類・下位分類(詳細分類)の概要および割合(上位分類における中位分類の割合)・件数推移の傾向を示す。
表18に示すように、「情報取得・利用」においては、「取得情報(運転状況、外部状況、機器状況等)」「記憶部の情報(車両、運行、地図・経路、機能)」の割合が高いことがわかった。また、「抽出・算出・生成情報(運行用、制御用)」の割合も高いことがわかった。ZJT分野においては、「各種状況の情報」や「地図、経路の情報」等の各種情報を利用して「抽出・算出・生成」することで得た2次情報を更に「取得・利用」することが重要になってきていると思われる。また、「制御」は全体的に増加傾向であり、「情報系(送受信、情報生成等)」の割合が高いことも特徴である。上述の「各種状況の情報」や「2次情報」を制御に利用することは重要な視点・要素であることがわかる。「制御」において、「機器(各機能制御等)」「運転(速度、距離、回避等)」は増加傾向であり、これらの視点・要素も更に重要になると思われる。また、「アウトプット」は全体的には減少傾向であり、他の分野同様に「表示」は減少傾向である。また、「判定・評価・検出」は減少傾向であるが、「運転(運転者、その他)の判定・評価等」という視点およびその割合が高いことはZJT(運輸用)の特徴的な視点・要素の一つである。
上述より、ZJT(運輸用)においては、各種「取得」「抽出・算出・生成」した「(1次、2次)情報」を利用して「判定・評価」等すると共に、「機器」「運転」を「制御」することで課題を解決する発明を創出する方向のように思われる。
5.横断分析
1)課題の横断分析
表19により、課題の横断分析(上位)を示す。表19においては、課題の上位分類「社会的課題」「人に関する課題」「事業的課題」「技術的課題」につき、ZJC、ZJG、ZJT分野について横断分析を行った。ここで、表19において、比率は、各分野(ZJC、ZJG、ZJT)それぞれにおいて「技術的課題」を基準にした比率である。
(1)「社会的課題」
「社会的課題」については、ZJC(製造用)は0%であること、ZJT(運輸用)は48%であることが特徴的な点である。ZJC(製造用)においては、「社会的課題」の視点が現時点では少ないことがわかった。また、ZJT(運輸用)においては、約半数の出願における課題が「社会的課題」の項目を含むという点で、「社会的課題」の視点が非常に強いことがわかった。
(2)「人に関する課題」
「人に関する課題」は「技術的課題」に次いで全体的に割合の高い課題であることがわかった。また、「人に関する課題」については、「ZJT(運輸用)」「ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)」「ZJC(製造用)」の順で割合が高いことがわかった。「人に関する課題」の割合は、各分野における「人」との関係の強さに関連するように思われる(表3)。
(3)「事業的課題」
「事業的課題」は「人に関する課題」に次いで全体的に割合の高い課題であることがわかった。また、「事業的課題」については、「ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)」「ZJT(運輸用)」「ZJC(製造用)」の順で割合が高いことがわかった。「事業的課題」の割合は、各分野における「事業タイプ(BtoB、BtoC)」に関連するように思われる(表3)。
(4)「技術的課題」
「技術的課題」は、割合が最も高い課題であることがわかった。また、「技術的課題」については、「ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)」「ZJT(運輸用)」「ZJC(製造用)」の順で割合が高いことがわかった。「技術的課題」の割合は、各分野における「商品・サービスのライフサイクル(技術改良のスピード)」に関連するようにも思われる(図3)。
(5)その他
また、表19に示すように、課題の割合バランスは、各分野(ZJC、ZJG、ZJT)ごとに異なることがわかった。例えば、ZJC(製造用)は「技術的課題」偏重であり、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)は「技術的課題」重視ではあるが「人に関する課題」「事業的課題」の割合も比較的高く、ZJT(運輸用)は「技術的課題」を重視しながら「社会的課題」の割合が非常に高く、「人に関する課題」の割合も高い。このように、課題内容および課題の割合バランスは、各分野ごとに(考えていた以上に)異なっていることがわかった。
2)解決手段の横断分析
表20により、解決手段の横断分析(上位)を示す。表20においては、解決手段の上位分類として「情報取得・利用等」「制御」「判定・評価等」「推定等」「アウトプット」に集約し、ZJC、ZJG、ZJT分野の横断分析を行った。
(1)「情報取得・利用等」
横断比較のため、ZJC(製造用)においては「管理」「製造」「人・作業」を統合したものを「情報取得・利用等」としている。ZJC(製造用)における「管理」「製造」「人・作業」を統合した「情報取得・利用等」は、他の分野における「情報取得・利用等」と同程度の件数・割合になると思われる。
そして、「情報取得・利用等」は、ZJC(製造用)、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJT(運輸用)いずれの分野においても最も高い割合の視点・要素である(実際には100%となるであろうが、要約/抄録の分析からは下表の割合となっている。)。「情報取得・利用等」の割合は維持または減少傾向であるが、必須の視点・要素である。
(2)「制御」
「制御」は、「情報取得・利用等」に次いで全体的に割合が高い視点・要素である。「制御」については、ZJC(製造用)、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJT(運輸用)いずれの分野においても増加傾向である。「制御」は、ZJC、ZJG、ZJTいずれの分野においても今後さらに重要になる視点・要素であることがわかった。また、「制御」においては、ZJG、ZJC、ZJTの順で割合が高いことがわかった。特に、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)分野において「制御」の割合が高いことがわかった。
(3)「判定・評価等」
「判定・評価等」は、「制御」「アウトプット」に次いで割合が高い視点・要素である。「判定・評価等」は、ZJC、ZJG、ZJTいずれの分野においても同様の割合であり、全体的に維持または減少傾向である。「判定・評価等」については、ZJC、ZJG、ZJTいずれの分野においても一定程度の割合であり、必須の視点・要素であることがわかった。
(4)「推定等」
「推定等」は、「判定・評価等」に次いで割合が高い視点・要素である。「推定等」は、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJT(運輸用)、ZJC(製造用)の順で割合が高い。「推定等」は、ZJC,ZJG分野においては増加傾向である。「推定等」については、ZJC、ZJG、ZJTいずれの分野においても必須の視点・要素であり、今後も更に重要になる視点・要素になると思われる。
(5)「アウトプット」
「アウトプット」は、「制御」に次いで割合が高い視点・要素である。「アウトプット」はZJG(ホームアンドビルディング・家電用)、ZJC(製造用)、ZJT(運輸用)の順で割合が高い。「アウトプット」は、全体的には維持または減少傾向である。特に、「表示」については、いずれの分野においても近年は減少傾向であり、表示態様の工夫で発明創出する流れから情報処理や制御により発明創出する流れへのシフトを示唆していると考える。
(6)その他
また、表20に示すように、解決手段の割合バランスは、各分野(ZJC、ZJG、ZJT)ごとに異なることがわかった。また、解決手段の分類項目は、各分野(ZJC、ZJG、ZJT)ごとに異なることがわかった。上位分類レベルにおいても、ZJCでは「情報取得・利用」ではなく「管理」「製造」「人・作業」で分類した方が特徴に対応して違和感のない分類となっている。ZJC(製造用)において、取得・利用情報が「管理」「製造」「人・作業」というカテゴリに分類できるという点は特徴の一つである。また、ZJC(製造用)においては、作業等の「支援」という分類も特徴の一つである。
また、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)においては、「制御」「アウトプット」の割合が高いという特徴がある。ZJGにおいては、情報処理の流れに沿った視点・要素の割合が高くなっている。また、情報処理等の視点である「情報セキュリティ」という上位分類も特徴の一つである。
また、ZJT(運輸用)においては、「情報取得・利用」の割合が高く、「制御」「判定・評価等」「推定等」の割合が比較的高いことがわかった。また、「遠隔操作」「選択」という操作に関する上位分類も特徴の一つである。
6.結果まとめ及び発明創出の視点
1)結果のまとめ
(1)課題について
以下、課題に関する分析結果を簡単にまとめる。
◎「技術的課題」:非常に高い割合
◎「人に関する課題」:比較的高い割合
◎「事業的課題」:比較的低い割合であるが増加傾向
◎「社会的課題」:ZJT(運輸用)のみで高い割合
◎「課題内容および割合バランス」:各分野ごとに異なっている
・ZJC(製造用):「技術的課題」偏重
・ZJG(ホームアンドビルディング・家電用):「技術的課題」重視ではあるが「人に関する課題」「事業的課題」の割合も比較的高い
・ZJT(運輸用):「技術的課題」を重視しながら「社会的課題」の割合が非常に高く、「人に関する課題」の割合も高い
◎「課題」の内容・傾向について、各分野とも大きな変化がみられない(今後は変化すると筆者は推測)
(2)解決手段について
以下、解決手段に関する分析結果を簡単にまとめる。
◎「情報取得・利用等」:いずれの分野においても最も高い割合
◎「制御」:「情報取得・利用等」に次いで全体的に割合が高い+増加傾向
◎「アウトプット」:比較的高い割合であるが、「表示」についてはいずれの分野においても近年は減少傾向
◎「解決手段の内容および割合バランス」:各分野ごとに異なっている
・ZJC(製造用):全体的にはZJT(運輸用)と類似しているが、「情報取得・利用」の内容が「管理」「製造」「人・作業」に分類される点は相違+特徴。作業等における「支援」の視点も特徴。
・ZJG(ホームアンドビルディング・家電用):「制御」「アウトプット」の割合が比較的高い。情報処理の流れに沿った視点・要素の割合が高い。「情報セキュリティ」の視点は特徴。
・ZJT(運輸用):「情報取得・利用」の割合が高く、「制御」「判定・評価等」「推定等」の割合が比較的高い。「遠隔操作」「選択」等の操作の視点は特徴。
◎発明創出の方向性
・ZJC(製造用):「管理」「製造」における各種情報を利用した「制御」により課題を解決する発明を創出する方向
・ZJG(ホームアンドビルディング・家電用):各種取得等した「情報」を「情報処理」して動作状態等を「制御」することで、課題を解決する発明を創出する方向
・ZJT(運輸用):各種「取得」「抽出・算出・生成」した「(1次、2次)情報」を利用して「判定・評価」等すると共に、「機器」「運転」を「制御」することで課題を解決する発明を創出する方向
2)発明創出の視点
以下、「課題」設定や「解決手段」検討の視点(例示)を検討する。
(1)「課題」の設定
課題についての結果のまとめより、以下の①②に注目した。以下の通り「課題」設定の視点について検討する。
①「課題内容および課題の割合バランス」は各分野ごとに異なっている。
⇒各分野ごとの特徴・傾向を把握して課題を検討
②「課題」の内容・傾向について大きな変化がみられない。
⇒今後は「社会的課題」が増加すると予想
上述より、「課題」設定においては、以下の視点が有効であると考える。
Ø 「課題」における各分野の特徴・割合バランスを参照
Ø 「社会的課題」について検討
(2)「解決手段」の検討
解決手段の結果のまとめより、以下の①~③に注目した。以下の通り「解決手段」における視点について検討する。
①「情報取得・利用」が最重要である。
⇒可能であれば新しい情報(データ)を取得・利用
②「制御」の割合がいずれの分野でも増加傾向
⇒発明創出において要検討の視点・要素。「制御」に必要・有用な情報を検討する視点も重要。
③各分野ごとに特有の上位分類(視点)がある。
⇒各分野において有用性が高く、特許性の高い発明を創出可能な視点。
上述より、「解決手段」の検討においては、以下の視点が有効であると考える。
Ø 新しい「情報」を検討する。「課題」の視点、「制御」の視点、取得した情報を「加工・算出等」する視点等より検討する。
Ø 「制御」について検討する。「制御」については前後も含めて「情報種類」「情報取得ルート」「情報処理」「情報出力」「駆動」等について検討する。また「判定・評価等」「推定等」との組み合せも検討する。
Ø 各分野ごとに特有の視点で検討する。ZJC(製造用)においては(情報取得・利用における)「管理」「製造」「人・作業」の視点および「支援」の視点、ZJG(ホームアンドビルディング・家電用)においては「情報セキュリティ」の視点、ZJT(運輸用)においては「遠隔操作」「選択」の視点で発明を検討する。
7.おわりに
本調査研究において、IoT関連発明を「課題」および「解決手段」の視点で調査分析することで、IoT関連発明における「課題」および「解決手段」の内容・傾向を確認することを試みた。詳細には、各分野における特徴や経時的な変化を確認することを試みた。
本調査研究においては、IoT関連発明における「課題」および「解決手段」を下位(詳細)項目で分類し、上位・中位分類に集約することで上述のような知見が得られたが、上述の分類に限らず他の視点で分類・集約することにより、別の有益な知見を得られることが期待できる。
また、上述の通り、これらの調査分析結果を参考に、IoT関連発明を創出する際の視点等について検討し、その一例を提示した。
本調査研究により得られた視点や知見がIoT関連発明創出等の知財活動に寄与することを期待する次第である。
<参考文献>
[1] 内閣府, “日本経済2016-2017 第2章 新たな産業変化への対応,” [オンライン]. Available: https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html. [アクセス日: 2019年10月15日].
[2] 総務省, “第1章 第 4 次産業革命がもたらす世界的な潮流,” 第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究, p. 6, 2017年
[3] INPIT, “J-PlatPat特許情報プラットフォーム,” [オンライン]. Available: https://www.j-platpat.inpit.go.jp/. [アクセス日: 2019年9-10月].
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